モンドヴィーノ [DVD]
世界のワイン産業についてのドキュメンタリー映画。 この映画を見ると、アメリカが世界に売りつけようとしているものは<世界基準>であることがよくわかる。世界的ワインコンサルタントのミッシェル・ロランや、ワイン評論家のロバート・パーカーを自陣に取り込み、オーク樽とバニラの香りの<厚化粧>をほどこしたワインに最高の評価を与える。後は、アメリカお得意の大量生産のルートにのせてしまえば、黙っていても金が入ってくる仕掛けだ。 アメリカの巨大ワイン生産会社ロバート・モンタヴィーが、フランスやイタリアの有名醸造所と提携し、ハイブリッドワインを高い値段で売りつける商法も、非常に辛らつなタッチで紹介されている。映画の世界でも顕著なグローバリズム化の波が、ヨーロッパ文化の象徴〔ワイン〕にまで及んでいることは少々驚いた。 詩人でなければワインは作れないと信じるフランスの醸造主たちに肩入れした内容である。できることなら、グローバリズムvsテロワール(地味)という二次元的な対立構造に終始せず、ドキュメンタリーに消費者の目(舌)による評価・感想を付け加えてもらえれば、より厚みのある面白い作品になったことだろう。 昨今のフランスにおけるワイン離れの原因は、ロバート・モンダヴィーのような画一的なワインを造るアメリカ資本のせいなのか、進歩を恐れ昔のやり方に凝り固まるテロワール派の醸造主のせいなのか。映画やワイン業界にとどまらず、このグローバル化の波は各国のあらゆる文化に浸透し、さまざまな問題へと波及していくにちがいない。
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